税務会計について語らせてください!vol.19「年末調整手続きの電子化」

こんにちは!
税務会計チームのスタッフ小向です。
法人・個人の税務会計、相続等の資産税を担当しています。

10月に入り、今年も「年末調整」の足音が近づいてきました。
経理担当者にとっては、大量の申告書を配り、従業員の手書き文字を解読し、控除額を電卓で叩き、記入漏れがあれば回収に走り回る……という、一年で最も憂鬱なシーズンの始まりではないでしょうか。

しかし、「年末調整=紙に手書きして提出」というルールは、すでに昔の常識になりつつあることをご存知でしょうか? 今回は、変わりゆく年末調整の最新事情と、会社も従業員も劇的にラクになる「電子化(ペーパーレス化)」について解説します。

「紙」から「データ」へ。年末調整はどう変わる?

国を挙げてのデジタル化推進により、年末調整のルールや仕組みが大きく変わってきています。

これまでは、生命保険料や地震保険料の控除証明書、住宅ローンの残高証明書など、ご自宅に届く「紙のハガキ(原本)」をかき集めて提出するのが常識でした。

しかし現在は、スマホやPCから簡単入力ができたり、マイナポータル連携などを活用することで、各保険会社のマイページ等からこれらの証明書を「電子データ(XMLデータ等)」として一括取得し、そのままシステムに取り込むことが可能になっています。

つまり、会社側がシステム対応さえしていれば、従業員は紙の証明書を探す必要がなくなり、経理担当者も手入力をしなくて済むという環境がすでに出来上がっているのです。

電子化でこんなにラクになる!

実際に年末調整を電子化(クラウドソフト等の導入)した場合、どれくらい負担が減るのでしょうか。

  • 【従業員のメリット】
    • スマホやPCから簡単入力
      小さな枠に何度も手書きする必要はありません。システム上の質問(「今年は結婚しましたか?」など)に答えていくだけで完了します。
    • 計算ミスの防止
      複雑な保険料の控除額なども自動で計算されるため、空欄のまま提出してやり直しになるのを防げます。
  • 【経理担当者のメリット】
    • 進捗管理が一目でわかる
      「誰が提出済みか、未提出か」が画面上のダッシュボードで即座に確認でき、催促の連絡(リマインド)もシステムから一括送信できます。
    • 手入力・検算が「ほぼゼロ」に
      給与計算ソフトと連携させることで、従業員が入力したデータをそのまま取り込めるため、電卓での検算や手入力の手間が大幅に削減されます。

年末調整を電子化する3つの代表的なツール

「では、どうやって電子化すればいいの?」という方に向けて、代表的なツールを3つご紹介します。

① 国税庁「年末調整控除申告書作成用ソフトウェア(年調ソフト)」
国税庁が無料で提供している公式ソフト(アプリ)です。
従業員がスマホやPCで申告書データ(XML)を作成し、会社に提出することができます。コストをかけずに電子化を始めたい場合に有効ですが、会社側の給与システムとの連携には別途確認が必要です。

② マネーフォワード「クラウド年末調整」
書類の配布・回収から、税額計算、そして税務署や自治体への電子申告(e-Tax、eLTAX)までをクラウド上で一気通貫で行えるサービスです。
マネーフォワード クラウド給与と連携させれば、さらに業務効率が上がります。
※紙の保険料控除証明書が発行されている場合は、別途会社に証明書原本の提出が必要です。

③ NTTデータ「達人シリーズ(データ収集・配信 年末調整オプション)」
税理士事務所でも広く使われている「達人シリーズ」のオプションです。
従業員はスマホ等から専用URLにアクセスして情報を入力・画像添付するだけで、事務所側(または自社の達人システム)へ安全にデータが連携されます。
※紙の保険料控除証明書が発行されている場合は、別途会社に証明書原本の提出が必要です。

10月が「仕組みづくり」のラストチャンスです!

「便利なのはわかったけど、今年の年末調整から導入できる?」と思った皆様。動くなら「今」がチャンスです。

今のうちに「今年はスマホでやりますよ」と社内アナウンスを行い、余裕を持って準備を進めることが成功の秘訣です。

「うちの会社にはどのシステムが合っている?」「導入のサポートはしてもらえる?」と少しでも迷ったときは、自己判断で悩まず、ぜひ専門家である「税理士」にご相談ください!

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

スタッフ小向でした。次回のブログもお楽しみに!