長田会計事務所のつくりかた⑦「インターン9期生採用までの道のり」

スタッフ木下です。

未来型経営支援と広報を担当しています。

長田会計事務所が大切にしていることをご紹介するブログ「長田会計事務所のつくりかた」。
第7回のテーマは「インターン生採用」です。

長田会計事務所では長期インターンシップ制度を導入しています。
毎年だいたい2名ずつ大学新3年生の採用を行っています。大学生には2年間在籍してもらい、大学卒業とともに事務所も卒業していくパターンが多いです。
これまでは、
1~2月 インターンシップ募集サイト「キャリアバイト」のフォーマット通り準備
3月 インターンシップ募集開始!
3月中旬 面接を終え、採用活動終了!
という安定したスケジュールで運営できていましたが…

2024年の採用は昨年までとはとまったく違った動きをしなければならないことが分かっていました。
そんな責任重大の採用チームには所長、スタッフ圓山さんと私の3名が選ばれました。

インターンシップ募集サイト「キャリアバイト」の終了

インターンを始めたときから利用していたインターンシップ募集サイト「キャリアバイト」が昨年終了してしまいました。※現在の「キャリアバイト」とは異なります。
サイトでは学生の成長のステップや、そこで働く上で身につくスキルとその理由や、先輩インターン生の書く「インターン体験記」など、インターンの魅力を伝えるコンテンツが工夫され、盛沢山な内容を掲載することができました。
また、応募する学生はエントリーの時点で自分の今までについてのエピソードや特技、自己アピールを書く必要があり、「やる気にあふれた学生と企業をマッチさせるぞ!」という熱い意思を感じるサイトでした。
しかし、それも今は昔…。
なくなってしまったものはしょうがないので他のサイトを探すことにし、サイトの担当者との打ち合わせをいくつか行っている間は自社でもできることを探しました。

事務所オリジナルの採用活動の開始

2024年4月に2名の学生をインターン生として採用することを目標に採用活動を進めました。参考に見たいくつかの募集サイトでは「大阪」「士業」のインターンは1〜2件程度(2023年時点)と、現在もまだ士業の長期インターンの導入は少ないようです。
しかも、一般的に求人を見た人が応募する確率は0.5〜1%と言われており、2名採用するためには数千人に求人を見てもらわないといけない計算になります。
それが分かれば「とにかく知ってもらわなければならない!」ということで、事前登録フォームを設置してみました。

事前登録フォームとは、インターン生募集開始の連絡をするためのアドレス登録フォームです。募集や求人掲載は開始していない期間でしたが、どれぐらいの人が私たちを見つけてくれるのかを知るために設置していました。
結果、なんと求人掲載開始までに3名の方に登録していただきました。誰も見ていないというわけではないということがわかりました。

また、ホームページのプチリニューアルSNSの投稿を行いました。
ちょうど弊所では講師をお招きして「企業向けSNSマーケティング勉強会」を開催していたので、応募者に見てもらい、行動してもらうためにできることを在籍しているインターン生と広報チームの池永さんと相談しながら考えました。

自社採用を試みた結果、改めて感じた求人サイトの便利さ

「自社で採用までできたらいいですよね♪」という理想を掲げた自社採用ですが、これも番狂わせの連続でした。

「応募完了通知のメールが届きません!」

Googleフォームを設置して、あとは応募を待つだけ…と思いきや、肝心の完了通知が採用担当者のメールボックスに届かないというエラーが発生しました。
Googleフォームは便利な開発系のツールが多くあるのですが、いざ使ってみると正しく入力しているはずなのに原因不明なエラーが発生することがあります。
システムエンジニアが在籍しているわけではないので、自分たちでなんとかするしかありません。
そんな困難も時間をかけて解決し、どんどんGoogleフォームに詳しくなっていくスタッフたちでした。

「女子からの応募がほとんどありません!」

昨年までは応募者が始まると、サイトの担当者から対応策のアドバイスをいただくことができました。
中小企業あるあるかもしれませんが、スタッフが少ないと結果の検証ができず、PDCAでいうとDで行動が終わってしまいがちです。原因の分析を外部にお任せできたので、事務所では新たな文言を考えるという行動に移りやすいメリットがありましたが、今年は自分たちで分析し課題に気づくことから始めなければなりません。
おもしろいことに、今回は最初の文言では男子の応募多数、修正した文言では女子の応募多数というくっきりとした違いが表れました。

外部募集サイトを利用することは、システム的な運営や、改善の課題抽出など、応募人数だけでなくこの時間も買っていたのかと痛感しました。

面接をスタートし、見つかった改善点

応募者が集まり、いよいよ面接スタート!

実際の面接の配置です。面接の疑似体験ができます。

実際に面接を行って、改善点が見えてきました。

募集条件を明確にする

今までは応募人数を増やすため、「簿記3級所有」でなくとも、勉強中であればウェルカムとしていました。
が、条件に幅をもたせればもたせるほど、応募者のレベルも幅が広くなるのは必然です。
スタッフは全員で6名なので、教える人員や時間に限りがあります…。
せっかく面接に来てくれても、テストの結果次第で採用を見送ることになればお互いに時間がもったいないので、必要な条件は明確に表記するよう変更しました。
今は「簿記3級取得または簿記3級相当の知識を有する」という条件を明記しています。

面接確約日から日数を空けない

自社サイトだけでなく、新しい募集サイトでの採用活動も並行して行いましたが、面接辞退が数件ありました。
今までにない数だったので新しい募集サイトとの相性のためかと驚いていましたが、終わってから原因を考えてみました。
仮説ではありますが、3月1日から募集を開始し、面接開始は確定申告後の3月18日と、面接確定から面接日当日まで2週間以上空いていたのが原因ではないか?と考えました。
2週間もあれば他事務所の面接を受ける余裕があります。
確定申告があるため遅らせたのですがこちらの都合でしかありません。応募者の感覚とのギャップは避けなければならないという課題を抽出できました。
 

ちなみに、去年のインターン生採用の様子はインターン生がブログにしてくれています。
ちょっと、インターン覗いてみる?Vol.11『インターン生の採用面接に乗り込んでみたッ!!』

全体を通してわかった学生へのアプローチのコツ

学生が何を使って調べるのか予想する

今時の求人はネットが基本です。ネットなら、最短で事務所の求人にたどり着く導線をこちらで考える必要があります。例えば、「会計事務所 インターン」「税理士事務所 インターン」で調べたときに表示されるようにできることを探します。
SNSやサイト内の「タグ」によっても表示のされ方が違ってくるので、タグの検討は重要です!

採用の投稿は質より数

SNSで結果を得ようとするなら、毎日たくさんの投稿が流れていく環境では1件の質の高い投稿よりも投稿数の多いアカウントのほうが認知されやすいです。
facebookでの1日1回「ヒトコマ」投稿も面接前に見ていたという応募者もいました。
リアルさのある投稿に親近感をもってもらえたのではないかと思います。

ゴールまで一気に進む

行動力のある学生は次の行動をするのも早いので、一直線に面接に来てもらえるようこちらも迅速な対応が求められます。

学生へリアルタイムの対応、スピード感や回数など、考えてみれば当たり前のことなのですができていなかったことが後からわかりました。次回は同じ轍を踏まないようにします。

今回の採用活動をふりかえって

今回はてんやわんやの大騒ぎでしたが、求人掲載終了時点では名の採用という目標を達成することができました。

(左)新インターン生Yさん初出勤!(右)新インターン生Hさん初来客対応!


採用サイトの種類や、自社ホームページの表記、キャッチコピー、SNS投稿頻度など、成功要因は複雑に絡み合っています。1つ1つ分解し、打つ手があれば早く行動することが大切だと実感しました。

今後は大手企業によるインターンを通した採用が増加する傾向にあり、こうした事情に柔軟に対応しながら採用活動をすることが求められます。事務所では来年の採用に向けて採用に関する広報を継続する予定です。

今はひとまず目標を達成し、担当者としてホッとしています。
しかし、採用は始まりであって、終わりではありません!
インターン生が事務所に来てよかった!成長できた!と思って卒業できるよう、そして会計業界が盛り上がることを最大の目標として、長田会計事務所はインターンシップ制度に取り組んでいきます!

以上、2024年の採用活動でした。
次回のスタッフブログをお楽しみに!
スタッフ木下でした。