
こんにちは!
税務会計チームのスタッフ小向です。
法人・個人の税務会計、相続等の資産税を担当しています。
さて、前回の「相続のいろは(第2回)」では、相続税がかかるかどうかのボーダーラインである「基礎控除」について解説しました。
前回のシミュレーションに登場した架空の「山田家」は、財産の合計が基礎控除額を上回ってしまい、「相続税の申告が必要」という結果で終わっていましたね。
今回はその続きとして、「いったい山田家はいくら税金を払うのか?」そして、「2つの特例」について解説していきます!
山田家の相続税はいくら?(基本の税額計算)
まずは、前回の山田家(相続人は妻と長男の2名)の財産状況をおさらいしましょう。


生命保険の非課税枠などを差し引いた後の「課税される財産の合計額」は5,500万円。そこから基礎控除額(4,200万円)を引いた「1,300万円」が、相続税の対象となる金額でした。
この1,300万円を、法律で定められた割合(法定相続分:妻と長男で半分ずつ)で分けたと仮定して、それぞれに税率を掛けて全体の相続税額を計算します。
| 相続人 | 法定相続分 (仮の取り分) |
税率 | 仮の税額 |
| 妻 | 650万円(2分の1) | 10% | 65万円 |
| 長男 | 650万円(2分の1) | 10% | 65万円 |
| 合計 | 130万円 |
山田家全体で納めるべき相続税は「130万円」となりました。
「えっ、130万円も払うの!?」と驚かれたかもしれませんが、ご安心ください。
ここからが今日の本題です。ある「特例」を使うことで、この税金を減らすことができるのです。
知らないと大損!相続税を大きく軽減する「2つの特例」
相続税には、残されたご家族の生活を守るための強力な特例制度が用意されています。代表的な2つをご紹介します。
① 配偶者の税額軽減(配偶者控除)
亡くなった方の配偶者(夫や妻)が財産を相続する場合、配偶者の生活保障のために設けられている特例です。
配偶者が相続した財産のうち、「1億6,000万円」または「法定相続分」のどちらか多い金額までは、相続税が一切かかりません。
山田家の場合、妻が相続する分については、この特例を使えば税金は完全にゼロになります!
② 小規模宅地等の特例
亡くなった方が住んでいた自宅の土地を、配偶者や、同居していた親族などが相続する場合に使える特例です。

一定の要件を満たせば、自宅の土地の評価額(330㎡まで)をなんと「80%減額(2割の評価)」にしてくれます。
山田家の自宅の土地は評価額1,800万円でしたが、この特例を使えば「360万円」として計算できるため、相続財産を減額することができます。

山田家の結末と、特例を使うための「最大の注意点」
山田家の場合、妻が自宅の土地を相続すれば、この2つの特例をダブルで使うことができます。

課税される財産の合計額4,060万円<基礎控除額4,200万円
つまり相続税の対象は0円!結果として、山田家が支払う相続税は「130万円 ➡ 0円」となります!
ただし、ここで絶対に知っておいていただきたい【最大の注意点】があります。
これらの特例は、「自動的に適用されるわけではない」ということです。 特例を使って税額がゼロになったとしても、「特例を使うための相続税申告書」を税務署に提出しなければ、特例は認められません。

さらに、申告書を出すためには、期限内に「誰がどの財産をもらうか」を家族全員で話し合い、遺産分割協議書にハンコを押す必要があります。
もし家族で揉めてしまって期限に間に合わなければ、特例が使えず、本来払わなくてよかったはずの多額の税金を支払うことになってしまいます。
お盆は「争族」を防ぐ第一歩
相続税を安くするためには、何よりもまず「家族が揉めずに財産を分けられること」が大前提となります。
だからこそ、ご家族が顔を合わせるこのお盆の時期に、「うちはどんな財産があるの?」「実家はどうする?」といったお話を、少しずつでも始めてみることが大切です。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
スタッフ小向でした。次回のブログもお楽しみに!


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